イタリアの自動車メーカーAlfa Romeoは今ではFIAT傘下にあるが、以前と変わらずスポーティーイメージを前面に打ち出したブランドとして生き続けている。これまでリリースされたラインナップ中で1960~70年代に生産されたGiulia(ジュリア)は「羊の皮を被った狼」の先駆けと言えるスポーツセダン。僕の子供の頃からの憧れの一台だ。その後第二世代のGiulietta(ジュリエッタ)、75、155、156と進化を遂げ、そのDNAは現在159が受け継いでいる。
イラストは1992~97年に生産されたAlfa Romeo 155。駆動方式が75までの伝統だったFRからFFにあらためられた、Alfa Romeoのスポーツセダンの中でもエポックメイキングなモデルである。数年前に中古車で手に入れ、全塗装をはじめ様々に手を加えながら大切に乗っている友人に、先日このクルマのステアリングを握らせてもらった。
小型のボディーに積まれたオールアルミ製4気筒DOHCの2000ccツインスパークエンジンは、Alfa Romeoの伝統にならって快音とともに軽快な吹け上がりを見せる。10万キロを超える走行距離ながらボディーは非常にしっかりしており、走行フィーリングや加速感は15年以上も前に設計生産されたクルマであることすら忘れさせるほど気持ちのいいものだった。
直線的なくさび形のスタイリングも、有機的なシルエットのクルマが主流の現代の路上にあって強い個性を発揮、実に新鮮に見える。
FRのGiuliaや75もいいけど、この小振りでスポーティーなラテンのFFセダン、凄くいいかも。試しに中古車を検索してみたら…、リーズナブルで良さそうなのがあるある!