ちょうど今から60年前、1949年製のChrysler DeSotoセダン。
資料によれば、搭載される6気筒のエンジンは3,600回転で112馬力を誇ったという。クロームのトリムが他のモデルと比べて少ないこのモデルは Carry All Sedanと呼ばれ、後部座席が前方に倒れ、トランクのフロアからつながるフルフラットのトランクスルー構造が自慢、「夢でも荷物でも、あなたの積みたいもの、全部積めます!」でキャリーオールとしたのだろう。今時の国産車では当たり前のトランクスルーだが、日本のセダンがこの構造を売りの一つにしたのは確か70年代半ばあたりからだったように思う。ちなみにこのクルマ、当時の価格で2,091ドル。今のレートでは20万円ほどだが、日本が食うや食わずの時代、そしてドルがめちゃめちゃ強かった時代の2,000ドル、いったいどれほどの価値があったのだろう。そして当時の人々が、60年後のビッグスリーの危機的状況を知ったら何と言うだろうか…。