友人の紹介でSo-Cal、南カリフォルニアに住むホットロッド・ビルダーの自宅兼ワークショップを訪ねた。街乗りをメインに作られたStreet Rodder、BonnevilleやEl MirageといったDry Lakeで最高速にチャレンジしているレースカー、そしてそれらのベースとなる旧い車輛やフレーム、ボディー、エンジンなどが無造作に置かれた広いスペースの中を、ここの主の許しを得て撮影させてもらう。雑誌で見たことのある有名な車輛も製作・保管されているという、好き者にはたまらない空間に、ファインダーを覗きながら一人興奮する。ひとしきり撮影したところで、自宅とゲストハウスの間にポツンと置かれたTrike(三輪車)に目が停まった。旧いアメリカ製であろうオールスチールの錆びたTrikeだが、よく見れば大掛かりにカスタムが施されている。凝り性で子煩悩なビルダー自身の手によるものであろうTrikeはペイントもまだで、作業途中のまま乗られているといった風情、スチールでワンオフ製作されたティアドロップ形状の前後の深いフェンダーが実にカッコいい!子供の乗り物でも、そして未完成でも、そこはプロの作品、何とも魅力的なのだ。