ホンダのオフロード・モーターサイクルである。1980年型だから今から32年前に製造された充分に旧い車両だ。名前はXL250S。リアはまだ一本のショックとスプリングで懸架する現代的な「プロ・リンク」サスペンションにはなっていないが、エンジンはシングル4ストロークだ。「23インチのワークブーツ」という発売当時の広告コピーは、フロントに装着された大径のホイールとタイヤに由来。それによって生み出されたシルエットはユニークかつワイルド。
2004年に入手、ここ最近はすっかりガレージの肥やしにしてしまっていたこのモーターサイクルを最近復活させた。キックペダルを踏んでエンジンを始動、重めのクラッチを操作してトコトコ走り出す。ブレーキは前後ドラムだから、その制動力は推して知るべしのレベル。しかし抜群の直進安定性と粘りあるトルクフルなエンジン特性、柔らかめの足回りによって、走行フィーリングはとてもマイルドで快適、高速道路だって気持ちよくクルーズすることが可能。燃費だっていいし、ガンガン飛ばす必要さえなければ充分に日常のアシにもなる。
まだまだ寒いけれど、春は近い。今年のモーターサイクル・シーズンはコイツと出かける頻度が多くなりそうだ。