乗り物における究極のヘビーデューティーと言えば軍用車がまず頭に浮かぶ。これはMil Spec.(米国防省が制定した軍用品の規格/Military Specificationの略)でM35と呼ばれる1951年から現在まで生産されているAMジェネラル社製のトラックがベースの特殊車両。型式をM936A1といい、戦地において戦車のエンジン交換をはじめとした重作業を担うクレーンを装備している。アメリカの民間用大型トラックはもちろん、日本のJRの機関車にも採用されているCummins社製エンジンを搭載、この車両には12,000ccの直6ディーゼルがチョイスされている。
全体にペイントされたつや消しのデザート・イエローはこの車輛が湾岸戦争に従軍したことの証しだという。新車価格は驚きの1億3千万円!
アメリカ本国では公用車の払い下げが日常的に行われており、それ専門の中古車売買業者も存在、これはカリフォルニアの業者を通じて日本にやってきた一台。程度や仕様により幅があるが、この手の軍用トラックの流通価格は一千万円以下なのだとか。通関書類上のサイズはメートル換算でおおむね幅2.49m/長さ9.2m/高さ3.5m、車両重量は約17.5トン。この超ど級のヘビーデューティートラック、一般のモノ好きが日本の路上で使うようになるのだとか。ある意味世界最高級のトラックと言えるこれを手に入れることが出来る人は、これまたある意味究極の幸せ者なのかも知れない。クルマ趣味の世界は実に深淵なものである。