日本にもSUVという呼び方がすっかり定着した。アメリカ人が言いはじめたスポーツ・ユーティリティー・ヴィークルというカテゴリー、その根っこにはスポーツピックアップという存在がある。堅牢なフレームに何でも積み込めるベッド(荷台)を載せたトラックと言えば多くの日本人はまずいすゞエルフなんかのキャブオーバータイプを思い浮かべるだろうが、彼の地ではイラストのようなクルマがポピュラーだ。ビジネスユースはもちろんだが、サーフボードやオフロードバイク、その他大型の遊び道具も積み込んでビーチやカントリーサイドに出かけるといったホリデーユースにも使われる。だから豪華な内装や快適な乗り心地も必要になる訳で、そんな文化が根付いてこそ、そこから派生した「トラックの足回りに乗用車ライクな快適性」を備えたSUVというカテゴリーも生まれるワケだ。
そこまで説明しながらも、僕が好きなのは昨今の豪華になりすぎたSUVではなくピックアップ。とりたてて積むモノがなくとも充分にカッコいいし、イザとなればWork Horseとしてだって活躍してくれる。そう、きっと「イザとなれば力を発揮する」というのが何とも男っぽくていいのである。
イラストは、静岡のガレージ製作専門ファクトリーのオーナーがプライベートだけでなく仕事にも使っているダッジラム。ホイールのみを交換しているが、あえて流行の大口径をチョイスせずにストック然としたハイトの高いオフロードパパターンのタイヤを履かせているのもいい。Work Horseの足下はドレスシューズでなくワークブーツなのだから。
special thanks:Dainao Garage Factory(http://www.dainao.net)