三菱の軽『i』をベースに開発されたプラグインEV(電気自動車)、i-MiEV。東京モーターショーで注目のこのクルマを運転する機会に恵まれた。数ある試乗車の中には各社自慢のエコカーだけでなく、日産GT-RやZロードスター、スバルインプレッサWRX-STIなど魅力的なスポーツカーも含まれていたが、僕はあえてi-MiEVを選んだ。
運転席に座りセレクターに目をやると、Dポジションの他にEVならではの電力消費をセーブするEcoポジション、他のレンジより回生ブレーキを強く効かせるというBポジションが目新しい。Ecoで走り出すと軽らしからぬ重厚で高級感ある走り、それでいて静かすぎず『走っている』という実感は損なわれていないというのが第一印象。片側3車線道路に出て、Dポジションに。実は一番モーターのパワーが発揮されるというこのDポジションでは、2リッターガソリン車かそれ以上とも感じられる力強いトルク感と加速に驚く。エンジンとは異なる魅力が充分に感じられた。
同乗してくれた三菱の関係者が同社モータースポーツ部門であるラリアート所属であったことから、EVによる自動車競技の可能性についても話題になる。「モーターの瞬発力とトルクはエンジンに勝るとも劣らないもの。重量物であるバッテリーが床下にあることで低重心にもなっており、現状でも競技車としての素質がある程度備わっている」と聞き、EVが決して退屈なものではないということも再認識した。