1969年当時の僕は小学校にも上がっていなかったが、このクルマが誕生したことは鮮明に記憶している。『ロングノーズ・ショートデッキ』すなわち、大きな6気筒エンジンが収まる長いフロントセクションと、後輪の直前に運転席がセットされる短いコクピットが作り出すシルエットは、まさにスポーツカー。そのスタイルを目の当たりにした時は、子供心に胸を踊らせたものだ。"432"の名称は4バルブ、3連キャブレター、2本のカムシャフトに由来する。来年、誕生50周年を迎える『フェアレディZ』は日本の自動車史に燦然と輝く至宝なのである。