間もなく国内でも発売されるという新しいジープ・ラングラー。4ドアがラインナップに加わったことで、本国でも日本でもユーザー層を広げ、大人気を博しながら現在まで長きに渡り売られていたラングラー。そのモデル名はJK。次世代のJLは北米では既に販売が開始されており、8月の渡米時にも多数の現車を目にしたのだが、ぱっと見たところJKとの区別がつきにくい。近寄ってみないとわからないことが多々あった。JKのオーナーである僕がそんな調子なのだから、ラングラーに詳しくない人からすれば、並べてみないとどちらかを言い当てるのはかなり困難だろう。(灯火類がLEDに換わったので、夜間は見分けるのが容易ではあるが。)
しかし、並べてみると外観に関してはJKからの流用部品がほとんどない。というか、僕が見る限り、流用と思われたのはアンテナ付け根部分の樹脂パーツだけ。自動車業界では「効率化」「合理化」の名のもと、流用できるものは極力流用しようという流れが加速しているように見える。そんな中で、フルモデルチェンジ、かつ新旧の区別がつきにくいほどキープコンセプトのクルマに対して、ここまで丁寧に作り込むとは、アメリカ車侮りがたし。なのである。
もうひとつ、注目すべき点が、このキープコンセプト、そして歴史や伝統を頑に継承していこうという姿勢だろう。(同じことは我が国の四輪駆動車の至宝、ジムニーにも言える。)
武骨で、ハイテクとは対極に位置すると言えそうなジープ・ラングラー。しかしである、日本で最も支持されているアメリカンブランドがジープであるという事実、そしてそのイメージリーダーがラングラーであるという事実は、もっと高く評価されていいだろう。
今月末、新型ジープ・ラングラーの日本での正式発表を、期待して待ちたいと思う。