90年代の後半に登場したメルセデス・ベンツのSUV、Mクラス。メルセデスの4WDと言えば、まず浮かぶのが、今も生産が続くGクラス。そのスタイルからもわかる通り、道なき道をゆくミリタリー・ヴィークルをルーツに持つGクラスだが、今世界を席巻するのは、”オフロードも走れる"シティユースSUV。このMクラスをはじめ、90~00年代に生まれた乗用車ベースの4WDが、すっかり時代のトレンドになっている。Mクラスは初めてドイツ国外で生産されたメルセデスとしても話題になり、「作りが安っぽい」「アメリカ製なんて、メルセデスじゃない」などと言われることも多かったようだが、今や自動車の生産国はもちろん、メーカー自体も国をまたいで協力関係をもち、提携・統合している事実を考えると、いろいろな意味で、当時のメルセデスの英断は時代の先取りであり、未来を見据えたものだったのだと気付かされる。