フォルクスワーゲンのビートル(カブトムシ)に対し、てんとう虫の愛称を持つのが戦後のモータリゼーション黎明期の大ヒット乗用車、昭和33年(1958年)にデビューしたスバル360。富士重工の元航空器技術者たちの英知を結集して生み出された軽量、コンパクトな軽自動車だ。
エンジンやボディのサイズこそ異なるが、リアエンジン後輪駆動や、丸いシルエットは、ヒトラーの提唱による国民車構想によって生み出されたビートルに酷似している。
スバル360はデビュー後も進化を続け、さまざまなボディタイプ、排気量の異なる普通車登録のモデル、輸出専用車も生まれている。優れた空力性能により、燃費の良さはもちろん、モータースポーツのフィールドでも大活躍した、日本生まれの優秀なてんとう虫だったのだ。