クォーターマイル、約400メートルの極短い距離で、ゴールまでのタイムを競うアメリカンモータースポーツの雄、ドラッグレース。自転車のような前輪に極太のリアタイヤ、そして長いホイールベースがユニークなトップフューエルやファニーカーを思い浮かべる貴兄も多いだろう。本国では排気量やボディスタイルの違いなどによりクラスが細分化されており、様々なマシンがドラッグストリップを走る。
昨年カリフォルニアで取材したホットロッドとドラッグレースの祭典、グランナショナル・ロードスターショーの会場には、歴史に名を残すたくさんのヴィンテージ・マシンが展示されていた。中でも市販車のシルエットを残しながら、フロントの車高だけをオフロードマシンのように上げ、エンジンルームに納まりきらないブロアーやエアファンネルを、切り抜いたエンジンフードから飛び出させるという、ワイルドな外観をもつギャッサーの迫力に目を奪われた。
これは、同じ会場でパーツメーカーのブースに展示されていた一台。ギャッサースタイルを取り入れたナンバー付きのカスタム・ステーションワゴン。60年代初頭のシボレー・ノバがベースだ。一見して不格好に見えるかもしれないが、西海岸の青空のもとで見るギャッサーは、実に魅力的なのである。