80~90年代前半にクルマ好きな青春時代をおくった貴兄にとって、『ターボ』はハイパフォーマンスカーの象徴的存在であったはず。しかし、ご存知の通り現代におけるターボは、低燃費技術のひとつとしてメジャーな存在だ。エンジンの排気量を小さくしながら、ターボを装着することでパワーダウンを補うというのが基本コンセプト。それがスタンダードになれば、次はモアパワーを求めるのが人の常。最新のターボ付きエンジンは、低燃費、低排出ガスを実現しながら、侮れないパワーを得ることに成功している。まさにエンジニアの飽くなき探究心の賜物といえよう。今や小型車だけでなく幅広い車種で、ハイブリッド、ディーゼルとともに『ダウンサイジング・ターボ』が席巻していると言っても過言ではなかろう。イラストは最近試乗し、そのスポーティな走りに感銘を受けたフォードフォーカス。先頃マイナーチェンジ、国内導入されたばかりの最新Cセグメント・カーだ。15年モデルは2リッター自然吸気だったが、16年モデルは1.5リッターの直噴ターボエンジン、EcoBoost(エコブースト)を搭載。ダウンサイジングしながらも10馬力のパワーアップに加え、燃費向上も果たしている。先代よりも一段と軽快でキビキビ走る様子は数値から受ける印象以上。国内外の各メーカーが、エコだけじゃない、乗って楽しい新時代のクルマのあり方を追求し始めている。そんなことをあらためて実感させてもらったのだった。