GMはPPV(Police Patrol Vehicle)、クライスラーはPolice Pursuit、フォードはPolice Interceptorと、メーカーそれぞれの呼び名がある。アメリカのポリスカー、パトカーの話しである。Pursuitは追跡、Interceptは迎撃を意味する。ネーミングもハリウッドムービーばりだ。
アメリカン・ポリスカーといえば昔ながらのボディ・オン・フレーム、後輪駆動のフルサイズセダンがまず浮かぶ。しかしGMの大型セダン、シボレー・カプリスは90年代中頃に、フォードのクラウンビクトリアも11年で生産終了となってしまった。その後は、順次ユニボディ(モノコックボディ)のセダンが導入されている。シボレー・インパラや新生カプリス、ダッジ・チャージャー、フォード・トーラスなどが現行の主力車種。注目すべきは、SUVベースのポリスカーの台頭である。頼り甲斐のある車体はもちろん、SUVのシャシや動力性能の飛躍的な向上が大きな要因だろう。映像でもSUVベースのポリスカーを数多く見かけるようになってきた。イラストはフォードエクスプローラーがベースのポリスインターセプター・ユーティリティー。
セダンのポリスインターセプターと同様に、ブラックアウトされたグリルやホイール(クロームのセンターキャップ付き)などで精悍なスタイル。15年モデルはAWDで、エンジンはフレックスフューエルのV6 3.7リッターと、V6 3.5リッターEcoBoostがラインナップされる。ユニボディとなって以来、シティーユースの警察車両としても積極的な展開が行われている。ますますタフなイメージの新世代ポリスカーに注目だ。