子供の頃から、なぜだかトラクターが好きだ。近所に農家などがない場所で生まれ育ったから、まったくもって身近な存在ではない。今思うと「スピードが出そうにないから、免許がない子供でも運転出来るだろう」などと身勝手な想像をしていたようにも思う。でもそれだけではない、いい知れぬ魅力が、トラクターにはある。
映画「カーズ」の中に登場する、間抜けだけれどどこか憎めない、トラクターのキャラクターも大好きだ。
アメリカを旅するようになって、あちこちで旧いトラクターやその部品を、クルマやバイクを愛好するように、大切にしている人々が数多くいることを知った。John Deereという鹿のマークが目印の緑色のトラクターは、熱心なコレクターがたくさんいて、愛好会もあるそうだ。グッズやミニカーも売られている。
イラストはロードサイドの庭先でオブジェになっていた年代物のフォード製トラクター。今は使われていない様子だが、ペイントはしっかりしているし、4本のタイヤにもちゃんと空気が入っていた。通りからも近い、一番目立つ場所に誇らしげに置かれていたから、きっと大切にされているのだろう。