仕事で出かけた港街、サンディエゴ。時差で早朝に目覚めてしまったので、ホテルの周囲を散歩してみる。季節は秋だがここはカリフォルニアの南端、曇り空ながら薄手の上着がちょうどいい気候だ。昨夜チェックインの際には気づかなかったが、この街の特徴的な建造物のひとつ、途中で大きくカーブしているのが特徴の巨大なベイブリッジがすぐそばに見えた。ホテルのエントランスはバックストリートに面していて、その路肩にたくさんのクルマが停まっている。その中でも大きさと旧さで最も目立っていたのがこの一台、1962年型のシボレー・ピクアップだ。突き出たオデコが特徴的なフロントフェイスは大きく歪み、ヘッドライトのトリムも脱落してしまっているが、その佇まいからはまだ現役で走っていることが伺えた。
10年以上前にスケッチブックに描いた水彩の作品で、ネタ元はそれより更に以前、シボレーの背後に停まっている初期型のフォード・トーラスが新車で売られていた頃の一枚のスナップである。このシボレー、今も元気に走っているだろうか。