キャデラックと言えば大統領専用車を筆頭に「威厳があって大きいアメリカの高級セダン、リムジン」というのがまだまだ一般的な認識ではないだろうか。しかしその常識も今や過去のもの、近年ではトラックをベースとしない専用設計のSUVも展開、ラグジュアリーなイメージはそのままに、スポーツ性を全面に押し出してブランドの若返りを積極的に推進している。
イラストは最新のキャデラックCTSクーペ。V6、6速ATの後輪駆動、全幅は1,900ミリとワイドだが全長は4,800ミリに抑えられている。前:ダブルウィッシュボーン/後:マルチリンク、前後ベンチレーテッドディスクという足回りもひと昔前のアメリカ車とは異なるもの。さらに上級モデルとして同じプロポーションながらV8、6.2Lのスーパーチャージャー付きエンジンを搭載、ブレンボ社製のブレーキを装備したハイパフォーマンス・スポーツモデル、CTS-Vクーペもリリース。
大人気の新型カマロを有するシボレー・ブランドとともに、GM再生の鍵を握るキャデラック。会社もクルマもいい感じにシェイプされて、自動車産業全体が『元気なアメリカの象徴』としても再生してくれることを、アメリカの乗り物をこよなく愛する者の一人として切に願う。